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2019-02-17 (Sun) 11:10

JR北海道、観光列車仕様のキハ261系5連2本を新造する方針



JR北海道は観光集客による利用増を図るべくJR東日本、JR貨物、東急の3社と連携し、2019年7~9月にJR東日本のジョイフルトレイン「びゅうコースター風っこ」、2020年夏に東急の豪華観光列車「ザ・ロイヤル・エクスプレス」を道内で運行すると発表しました。
この発表から僅か2日後の2019年2月14日に開かれた記者会見で、JR北海道の島田修社長は更に自社発注で観光列車仕様の特急型車両を新造する事を表明し大いに驚きました。
ご承知のとおりJR北海道は初代社長を務めた大森義弘さん(元・国鉄北海道総局長)の主導により、1987年~1992年にかけてリゾート車両の導入を進めました。
しかしキハ183系5200番台「ノースレインボーエクスプレス」を導入して以来、ジョイフルトレインの類は一切新造していません。
この度発表された車両は2020年秋の導入予定で、デビューが実現すると28年ぶりの新型観光列車となります。
下記に道新の記事を引用しましょう。

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JR北海道、自前で観光列車

 JR北海道の島田修社長は14日の記者会見で、観光列車仕様の特急車両2編成(各5両)を新造すると発表した。来年秋からの運行を目指す。新造の観光列車の運行は、1992年のノースレインボーエクスプレス以来28年ぶりとなる。
(15面=厳しい経営打開狙う)
 JR北海道は12日、JR東日本、東急電鉄から車両を借り受け、今夏以降に観光列車を運行すると発表したばかり。自社単独での運行も明らかにしたのは、外国人客らの需要を取り込み、在来線の利用も促進して経営難を打開する狙い。地域活性化への貢献を、沿線自治体や支援を受ける国にアピールする意味もある。
 JRは観光列車を「単独では維持困難」とする路線のうち宗谷線名寄―稚内間をはじめ、存続を目指す8区間などで活用する方針。
 車両は特急スーパー北斗などの261系をベースに、一部設備やデザインを変更。1号車をイベントや食事用のフリースペースとする。2~5号車は座席の肘掛けにテーブルを収納。乗客が向かい合う形でも使える。公衆無線LANサービス「Wi-Fi(ワイファイ」)も整備。はまなすやラベンダーをイメージした塗装にする。新造の費用は製造元と交渉中だが、数億円規模になるとみられる。
 また、普通列車2編成(各1両)も観光列車に改造し、「紫水号(しすいごう)」と「山明号(さんめいごう)」として今年9月ごろから運行することも明らかにした。新造、改造列車は普段は定期運行に使う。JRの観光列車は現在の12編成から16編成に増える。
(五十地隆造)

出典:『北海道新聞』2019年2月15日付 朝刊第1面
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記事の画像を見ると新造車両はキハ261系1000番台をベースとしたもので、塗装は「はまなす」、「ラベンダー」の2種類との事。
画像の車両は「はまなす」をイメージしたもので、前面・乗降口ドアを濃いピンクに塗装しています。
「ラベンダー」なら塗装パターンは同じに紫色とするのでしょう。
特別仕様車両ですから番台区分は既存のキハ261系1000番台とは別にするものと考えられます。

加えて、記事本文には「普通列車2編成(各1両)も観光列車に改造」とあり、両運転台仕様の気動車、すなわちキハ40系、キハ54系、キハ150系の何れかが対象となる事が読み取れます。
こちらは2019年9月頃の運行開始になる予定。
去る2018年に道制150周年を記念してキハ40系4両を改造した特別仕様車「北海道の恵み」シリーズが登場し、既にツアー列車にも充当されていますが、「紫水号」と「山明号」はよりグレードの高い車両になるでしょうね。

これら観光仕様車は「クリスタルエクスプレス」や「ノースレインボーエクスプレス」等とは異なり、専用車両という訳ではなく普段は定期列車に充当するとの事。
新型観光列車の製造に踏み切ったのは元々、老朽化の進むキハ183系の置き換え用に増備する計画だったキハ261系1000番台を仕様変更とする事で、導入にかかるコストをある程度削減できると見たからでしょう。
観光列車は主に「単独では維持困難」とする路線のうち、存続を目指す8区間で運行する見込み。
この8区間には宗谷本線名寄~稚内間、石北本線全線、釧網本線全線、花咲線(根室本線釧路~根室間)、富良野線全線、室蘭本線沼ノ端~岩見沢間、日高本線苫小牧~鵡川間、根室本線滝川~富良野間が該当します。

道新の15面にも関連記事が掲載されているので引用しましょう。

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JR北海道が観光列車 厳しい経営 打開狙う
かさむ経費 収益増不透明

 JR北海道が28年ぶりに新造の観光列車仕様の特急列車を運行するなど、観光需要の取り組みを強化する背景には、人口減などの逆風が吹く中、新たな収益源の確保などを図り、厳しい経営状況を打開する狙いがある。ただ、観光列車の運行は経費がかさみ、実際に収益増につながるかは不透明。他の列車への波及効果や観光による地域活性化といった付加価値を生み出し、運行継続をどう図るかが課題となる。(1面参照)

沿線との連携も期待

 「北海道の観光活性化にいろいろな取り組みをしなければならない。それが当社の鉄道利用の促進につながる」。JRの島田修社長は14日の記者会見で、観光列車の拡充について、こう強調した。
 JRは2019、20年度に国から400億円台の財政支援を受ける代わりに、2年間で経営改善の「目に見える成果」を出すことを求められている。JRは「単独では維持困難」とする10路線13区間のうち、宗谷線名寄―稚内間など8区間については、地元負担を前提に存続を目指しているが、JRの自助努力が形にならなければ、国の支援継続もおぼつかない。
 地方を中心に日常的な鉄道利用が低迷する中、外国人客の増加は数少ないプラス要因で、人気の観光列車は絶好の集客策だ。また、JRは8区間の利用促進策などについてまとめる「アクションプラン」を沿線自治体と作成中。主に地方路線での運行を想定する観光列車で、地域活性化への貢献をアピールしながら、「地域との連携を強めたい」(JR幹部)との思いがある。
 ただ、観光列車は通常の列車に比べ、飲食の提供を行う乗務員の人件費などがかかるだけに、安定的に集客できなければ、収益改善につなげるのは難しいとされる。今回、新造、改造を明らかにした観光列車を定期運行にも使うのは、経営難の中で、新たな投資の効果を最大限に発揮するために生み出した苦肉の策ともいえる。
 島田修社長は会見で、「観光列車に乗るために来る方が、北海道新幹線や在来線で足を運んでもらう誘発効果も含めて収益を確保することが目標」と強調した。JRには、観光列車の拡充を契機に、既存の列車や、各地域の観光戦略とどう相乗効果を高めていけるかが問われそうだ。
(土屋航)

出典:『北海道新聞』2019年2月15日付 朝刊第15面 経済
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観光列車の導入にも難しさがあり、如何に集客を継続して企画を定着させるかが問われます。
目的の観光列車に乗るまでの移動手段にも鉄道を使ってもらうのはもちろん、沿線との連携により地域の魅力を存分に感じてもらいリピーターを獲得するのも肝要だと思います。
2018年10月からは佐川急便との共同で貨客混載事業の実証実験も開始しており、運送業界のドライバー不足や沿線住民の高齢化を踏まえると鉄道の存続に向けた取り組みは非常に重要です。


以下、OB会諸兄に業務連絡です。
私は資格試験の受験日が迫っており余暇を使って勉強に専念するため、3月中旬までOB会ブログの執筆を休ませて頂きます。
OB会諸兄には是非ともブログに記事を提供して下さいますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。


※写真は『北海道新聞』2019年2月15日付朝刊第1面より引用


(文:叡電デナ22@札幌市在住)


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最終更新日 : 2019-07-03

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