引き続き、2019年2月2日に運転された「元気です夕張号」を追いかけていきましょう。
前回は早朝の苗穂運転所で出発を待つ北海道の恵み3連を撮影した後、岩見沢駅に先回りして8:48に出迎えたのでした。
1番線ホームの様子を見に行くと何と、鉄研現役生のトワイライトエクスプレス君に遭遇。
聞けば旅行商品の購入に成功し、夕張号に乗って岩見沢に来たとの事でした。
さて、岩見沢駅における夕張号の発車時刻は9:13。
その10分前に室蘭本線1466D(岩見沢9:03始発・苫小牧行き普通列車)が発車するので、次はこれに乗って追分まで先回りします。
岩見沢では9時前に再び雪が降り出しましたが、大荒れする事はないだろうと考え予定通りに行動をとる事にしました。
Lewisさん、TJライナーさんとはここでお別れ。
トワイライトエクスプレス君には「後でまた会おう」と告げ、1466Dが入線する3番線に移動しました。
JR北海道 国鉄 函館本線 室蘭本線 岩見沢駅 輸送主任 岩見沢駅輸送本部
しかし1466Dは何と、発車時刻ギリギリの9:02に入線。
どうやら車両の除雪に手間取ったようです。
3番線ホームでは助役と同じ金線1本入り赤帯制帽を被り、ジャンパーの上に安全ベストを着用した輸送主任が、赤いフライ旗とダイヤグラムを持って立ち番に当たりました。
岩見沢駅には駅構内の運転取扱業務を総括する輸送本部と、周辺の複数駅に対し運転取扱業務の指導・フォローを行う岩見沢地区駅輸送業務センター(2006年4月開設)があり、輸送担当駅員(輸送係・輸送指導係・輸送主任)も多く勤務していますが、ホームに立って列車扱いを行う事は稀です。
前回も触れましたが通常ダイヤなら1466Dは1番線に入線するところ、この日は代わりに夕張号を入れる事になったため番線変更をしています。
運転上の変更が生じた都合により輸送主任が立ち番に当たったのでしょう。
1466Dはキハ40系の1両単行で、苫小牧運転所所属のキハ40-1703が充当されました。
苫小牧方の前面は濃い雪化粧です。
乗車したのは私を含め15人ほどで、ほとんどは地元の利用客でした。
定刻より4分遅れの9:07に岩見沢駅を出発。
暫くは4分遅れのまま走り続けましたが、栗山駅を出た頃から次第に景色が白んできて、由仁駅に入線する事にはホワイトアウト。
所定ダイヤなら9:32に由仁駅で1467D(苫小牧8:37始発・岩見沢行き普通列車)と交換するのですが、互いに遅延が続いており9:43に古山(ふるさん)駅で交換しました。
1466Dとしては定刻より6分遅れでの停車で、遅延が更に拡大した事になります。
古山駅を出てすぐ、線路沿いの由仁国道を見ると道路から逸脱し立ち往生のトラックが1台。
周囲は建物の少ない畑作地帯で、ホワイトアウトに見舞われては道路の幅員が把握できなかったのでしょう。
トラックの近くには運転手さんが立ち、救援の到着を心細く待ち続けていました。
三川駅に停車した時点で、ますます延びて8分遅れになりました。
駅前集落の景色もぼんやりとしています。
9:49に発車。
そして定刻より12分遅れの10:01、追分駅に到着。
ホームでは白帯入りヘルメットを被ったアルバイトの除雪作業員が、ラッセルを持ってせっせと雪を掃いていました。
この時は石勝線でもダイヤが大幅に乱れており、待合室は特急列車の到着を待ちわびる客でごった返していました。
中には「おもてなし」のために夕張号を待つ安平町役場、あびら観光協会の関係者も見られました。
追分駅のLED発車標は夕張号に係る表示を一切出していませんでした。
これは少し寂しい。
北海道の恵み キハ40系3両編成 道東 森の恵み 道央 花の恵み 道北 流氷の恵み
さあ、ここからが大変。
定刻通りなら1466Dと夕張号の追分駅到着時刻に20分の差が開いていたのですが、だからと言って夕張号も20分遅れの10:29に追分入りするだろうなんて考えるのは甘い!
運転整理次第では途中停車駅の無い夕張号がバンバン回復運転をこなし、一気に時間差を縮めてくる可能性がある訳です。
なので追分駅の正面玄関を出たら、あくせく走って道道226号線の追分跨線橋へと急ぎます。
駅間で言うと室蘭本線追分~三川間。
何とか5分で辿り着くと橋の上に先客が1人、北に向けてカメラを構えていたのでホッと一息。
私が着いてから段々と鉄道ファンが集まってきて、跨線橋の上や線路沿いの道路で臨戦態勢になったのですが、クルマで乗りつけた人ばかり。
鉄道で来たのは私1人だけのようでした。
時間差を縮めるだろうという予感は的中し、北海道の恵み3連は10:12に姿を現しました。
釧路運輸車両所 旭川運転所 苫小牧運転所
北海道の恵み キハ40系3両編成 道東 森の恵み 道央 花の恵み 道北 流氷の恵み
キハ40-1779「道東 森の恵み」を先頭にキハ40-1780「道央 花の恵み」、キハ40-1720「道北 流氷の恵み」と続く3両編成が安平町追分の集落を進んでいきます。
石勝線夕張支線 廃止 営業終了
北海道の恵みシリーズ キハ40系3連 道東 森の恵み 道央 花の恵み 道北 流氷の恵み
跨線橋を潜るギリギリまでシャッターを切り続けました。
「道東 森の恵み」の雪化粧は追分まで疾走するうちに大分取れ、ヘッドマークもスッキリと見えますね。
夕張号は定刻より4分遅れの10:13、追分駅に停車しました。
追分駅 北海道の恵み キハ40系3連 道東 森の恵み 道央 花の恵み 道北 流氷の恵み
跨線橋での撮影が済んだら追分駅に引き返します。
自動券売機で入場券を購入し、改札口を通過。
夕張号は駅本屋側の1番線に停車しており、駅構内は団臨の乗客や撮影者で賑わっていました。
トワイライトエクスプレス君ともここで再会。
追分駅 改札口 駅舎 追分いぶき太鼓
ホームでは地元の小中学生による「追分いぶき太鼓」が披露されたのですが、私が改札口を通る頃には演奏が終わってしまいました。
でもせめて・・・と後片付け中の太鼓を撮影。
元気です夕張号 道北 流氷の恵み キハ40-1720 旭川運転所 追分駅 北海道の恵み
追分駅での停車中に空が晴れてきました。
おかげで夕張方の「道北 流氷の恵み」を撮影すると、もろに逆光という・・・w
曇り空のままでいてほしい時に晴れてしまうのはよくある事です。
北海道の恵み 道東 森の恵み 追分駅 元気です夕張号 キハ40系3連 釧路運輸車両所
南西からの撮影ならまあまあの写り。
北海道の恵み 道東 森の恵み 追分駅 元気です夕張号 キハ40系3連 釧路運輸車両所
2・3番線ホームの駅名標と「道東 森の恵み」のツーショット。
道東 森の恵み 北海道の恵み 札幌車掌所 ツーマン運転 元気です夕張号 追分駅
追分駅に停車した時点で、夕張号の乗務員は運転士3名、車掌2名、リーダー1名という陣容。
運転は札幌~岩見沢間を苗穂運転所、岩見沢~夕張間を岩見沢運転所の運転士が担当しました。
車掌は札幌車掌所の車掌が2名で、編成最後尾の若い男性車掌がドア操作・発車合図を行う本務車掌の役目を担っていました。
先頭には運転士3名と共に補助車掌が乗り込み、こちらは年回りからして主任車掌のようでした。
そして札幌車掌所のリーダーが最後尾に添乗。
「リーダー」というのは1990年代後半にJR北海道が新設した役職で、いわゆる助役補佐の役目を担っています。
車掌所に勤めるリーダーの仕事は乗務員に対する点呼や交番表の作成など内勤がほとんどで、乗務については月に数回の添乗指導を担当する程度で自ら本務車掌として乗る事はありません。
指揮命令系統を示すと「所長―助役―リーダー―主任車掌/事務主任―車掌/事務係」となり、リーダーへの昇進試験は主任車掌に限り受験できるそうです。
北海道新幹線の開業直前にも、道新に函館運輸所車掌科のリーダーさんを取材した記事が掲載されていましたね。
今回添乗されていたリーダーさんは2018年4月の「くりやま老舗まつり」に伴う臨時列車にも添乗されていた方でした。
他には緑色の法被を着た非現業社員も乗車。
道東 森の恵み 北海道の恵み 札幌車掌所 ツーマン運転 元気です夕張号 追分駅
車掌と「道東 森の恵み」のツーショットは通勤通学時間帯にワンマン列車の補助乗務が実施されている根室本線新得~池田間でも狙えますが、現在の職場では滅多に平日休みが取れないのでこの機会に撮影しておきたかったのです。
発車まで最後尾でカメラを構え続けます。
10:32、石勝線の出発反応標識が点灯。
最後尾の本務車掌が視認して「石勝線出発現示よし!」と指差喚呼します。
道東 森の恵み 北海道の恵み 札幌車掌所 ツーマン運転 元気です夕張号 追分駅
発車時刻になると駅長もフライ旗を持って立ち番。
本務車掌は先頭の補助車掌と挙手合図を送り合いつつ、車掌スイッチを閉位置にします。
道東 森の恵み 北海道の恵み 札幌車掌所 ツーマン運転 元気です夕張号 追分駅
ドアが閉まり車側灯が消灯しました。
「車側灯(しゃがわとう)滅灯よし!」と指差喚呼した後、補助車掌に対しぐるぐると手を振って合図。
続けて車内ブザー1打で運転士に発車合図を送ります。
道東 森の恵み 北海道の恵み 札幌車掌所 ツーマン運転 元気です夕張号 追分駅
定刻通り10:33、夕張号が追分駅を出発。
去り際に駅長が挙手敬礼すると、車掌はお辞儀を返していました。
道東 森の恵み 北海道の恵み 元気です夕張号 追分駅 駅長 立ち番 列車扱い
駅長は営業指導係と共に、夕張号がホームを出るまで列車監視を続けました。
この後は11:17発の石勝線2629D(千歳10:38始発・夕張行き普通列車)に乗って夕張駅に移動し、駅前のバリー屋台で昼食を取ってから最後の撮影に臨む予定でした。
ところがここでハプニング発生!
何と石勝線夕張支線が積雪に見舞われたため、折返し列車の2628D(夕張12:34始発・千歳行き普通列車)ともども運休になってしまいました。
改札口の掲示板には「追分~千歳間 運休となります」と書いていますが、実際には追分~夕張間に運行区間を縮小する訳ではなく、全区間運休になりました。
出札窓口で助役さんにお尋ねしたところ、11:12発の特急スーパーとかち3号(札幌10:24始発・帯広行き)は救済措置として普通乗車券のみで新夕張駅まで利用できる事になったものの、新夕張~夕張間の代行輸送についてはまだ調整中でした。
「代行バスが運行されないにしても、夕鉄バスで清水沢付近に出られるか・・・」と思い、とりあえず新夕張駅まで特急に乗る事にしました。
待合室で過ごしている間、札幌行きの特急スーパーおおぞら2号が定刻より40分遅れの9:41に入線。
待ちわびたとばかりに地元住民がぞろぞろと乗り込み、9:42に追分駅を出ていきました。
261系1000番台 追分駅 駅長事務室
安平町も次第に吹雪いてきた11:18、定刻より6分遅れで特急スーパーとかち3号が入線。
私の他には夕張方面に向かう地元住民が乗り込み、すぐの発車となりました。
自由席車の座席は全て埋まり、デッキにも客が集まっている状況。
デッキで共に過ごした客は多くが夕張号目当ての同業者でした。
移動中に情報収集をしていると、夕張支線内での除雪作業を受けて夕張号が新夕張駅で抑止している最中との事!
これはもしかしたら鉢合わせできるかも知れないな・・・と輸送障害を少し喜びました。
次回に続きます。
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最終更新日 : 2019-07-02